大陸版が正式リリースされて途中まで遊んでいたくらいには注目していたゲーム『陰陽師』の日本語サーバが解放され、アプリも公開されたので、ポチポチ遊んでるwarapopです。
中国版が大成功するとは正直思ってなかった(後で聞いたら現地のひともそこまで成功すると思っていなかったそうな……)のですが、むしろ、もし日本でリリースしたらきっと成功するだろうなと感じるくらいには、きちんと作り込まれていたので、
初速はともかく、運営がきちんと成されるのか、どういう結果になるのか、今から1ヶ月後・3ヶ月後をソワソワ楽しみにしてます。
注目してる理由は色々あるのですが、大きく分けて「世界観などのゲームの表現」「遊び方などのプロダクト設計」「マネタイズに関わる長期運用の仕組み」の3点で、こいつが中国ゲームアプリとして
極めて異質(でも大陸で成功した)だったことに起因します。
ゲームの中身に関するレビューはたくさんあるし、RPGゲームとしての良さを今さら書くほどでも無いので、自分への備忘録を兼ねてツラツラとメモ。
「陰陽師」が中国大陸で売れたことがおかしな話し
なんで「売れるのがおかしい」みたいな話が出るのかってことですが…
- 世界観が異質(純和風ゲームは無謀と思われてた)
- 音声が日本語(全部日本の有名声優で、字幕は中国簡体字)
- オートバトル全盛の時代にターンバトル(オート機能はある)
- マネタイズがマイルド(中国のゲームにしては簡潔)
少なくとも、大陸でリリースされる前のベータテストで遊んだときは、自分にとってもこんなところが気になる評価だったのですよね。(中国のゲーム担当者から聞いてた話しと照らし合わせても、この辺は評価が別れるポイントになってた)
↑上の画像は日本語版のアプリですが、見た目や機能はほぼ中国版と変わらぬ画面設計で、UIも(どちらかと言えば)日本のゲームっぽい表現を使っています。
※「こういうスッキリした画面UIはそんなに好まれない」と中国のひとが言ってましたが、そこに根拠は無かった……
……というわけで、そもそも中国で売れるのか、ぶっちゃけ売れることもないだろう……圧倒的に不利……日本向けにローカライズだけして出したほうが良い……みたいな状況だったはず……なのですが……、
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まさかの中国アプリ売上げランキングで3位以上に入る快挙 |
iOS AppStoreのランキングは国外からでも確認できちゃう。
聞いたところ、中国大陸のストアでこのくらいの順位に入ると『
月間売上40億円相当』くらいの金額感になるそうな……。
日本では売れるのか?(売れてる)
現状では概ねの予想通り「ほぼノーカルチャライズ」(中国版でリリースされたものと内容的に大きく変更されていない)でリリース、運用されているようです。
若干、日本語が怪しい…かなぁ…と思うところがあるので、現地のひとが日本の関係者レビューとかをそんなに通さずやってるようですが、CS対応もきちんとしてるそうですし、そういう意味では頑張ってやってる、という印象です。
とはいえ。。。
※該当の利用規約はすでに修正されています(2017-02-24現在)※
こういう風にユーザーさんを不安にさせてしまう部分って、後々になっても尾を引くことがあるので、「頑張る!」だけではなく、そうさせないためのリーガルチェックとかの仕組みを設けたほうがいいんじゃないかなー…という気はしてます。
そういう意味で、反面教師というところでも、見習いたいところある。
アプリとしての陰陽師あれこれ。
陰陽師、Android版だとやたらと権限を要求してくるの不安になるし怖いけど、「端末の機能を使いたいときには宣言してから使う」っていうのを真面目に作ると、こういう権限要求になるのが普通なんですよね。
例えば、位置情報権限はゲーム中のギルド戦でリアルマップを使ってるから必要で、マイク権限は「ボイスで喼急如律令と叫ぶと良いものが出るガチャ」があるから必要で、端末内ストレージへのアクセスは画面キャプチャした画像をSNSに投稿したりプレイヤーアイコンをストレージ内の画像に設定するために必要で……とか、
Bluetooth / Wifiアクセス権限は「ゲーム中にWifiがONだったらデータをダウンロードして、モバイル通信だったら警告だしたりデータ量を抑えたりする」ためとか、ゲーム中にWifiアイコンを表示するために(無くてもいいけど)わざわざ宣言して権限をとってる。
別に要求しなくても使える部分があるから他のゲームでは意図的に宣言はずしてる場合もあって、ゲーム作る側としては「むしろきちんと宣言してて偉いな」くらいの気持ちある。
ここまで陰陽師さんを擁護気味に書いてみたものの、
ぶっちゃけ利用規約の内容でやらかしてしまってる感あるし(クラックされたらデータを守れないことがあるって、開発者にとっては本音だけど)、やっぱり位置情報は抜かれるの怖いひといるし、他の機能もたまにツライので、
ギルド機能が不要なユーザーさん向けに「俺は位置情報で結界守ったりしない宣言」が出来るようにしてくれると親切だし、自分もありがたいんだけどなぁって思いますね。
中国だとQQ / Wechatが当たり前のように位置情報を取得して、そのかわりに生活に関わるいろいろな便利機能を提供してるから、感情としてゲーム内で自分の位置情報が分かってしまうっていうところに、ある程度慣れてるというのもあるんだろうなー。
やっぱ位置情報って防犯とか感情的なところで恐怖心ありますね。
というわけで、
頑なだった他国の方々に『いや普通に良いもん作れば日本風のシステムや世界観でも受け入れられるし、無茶なカルチャライズはしなくていい』っていうのを説明しやすくなったので、
それだけでも業界人的には良作なんだなぁ……という感想なのでした。
おわり。
https://mokumokusan.blogspot.com/2017/02/blog-post.html中国大陸から『陰陽師』がやってきた。