2024/01/11

Apple Sillicon Mac OS でゲーム遊びたい人の備忘録

 Windows版のSteamで……気になるゲームが……出てしまう……

どうすれば……つよつよグラボを積んだ Windows PC を買うしかないのか……

我が家の電源事情がそれを許さない……どうすれば……


「……っかうのです……」


ハッ!???


「私を……使うのです……」



Mac Studio さん!Mac Studioさんなのね!!

2024年1月版 : Macでゲームを動かすまでの道のり

Apple Sillicon (Mシリーズ) を積んだ、やや強めのMac OS機を対象にした備忘録。

  1. Homebrew でアプリをインストールできる環境を整える
  2. whisky をインストールする
  3. cabextact をインストールしておく (任意だけどお守り代わり)
  4. whisky を起動して Bottle を作成する ( Bottle の名前は何でもいい)
  5. Bottle の設定 > Syncの設定を「Esync」に変更する (お守り)
  6. Bottle の設定 > DXVK / DXVK Asyncを使用するを有効化
  7. Bottleホームに戻って Winetricks を起動する
  8. Winetracks 経由で日本語フォントをインストールする
  9. Winetracks 経由で Steam をインストールする (必須)
  10. Steamを起動する
アプリのインストールはとにかく時間がかかる。Winetricks経由でソフトをインストールするとTerminalが起動する。やたら時間がかかるけどキー入力を受け付けてくれるようになるまで我慢して待つ。ゲームが動かないときはWhisky の開発 https://github.com/Whisky-App/Whisky/issues を眺めて、動かないゲームの報告が上がったりしてないか眺めつつ、OSSコミュニティの方々に感謝と敬意を払い、自力で解決するか、コミュニティにコミットするか、対応してくれるまで待つ。

ここから詳細編

Homebrewでアプリをインストールできる環境を整える

検索すれば Mac 環境で Brew を使えるようになるまでの手順を解説してくれるありがたい記事がたくさん出現するので割愛。

Whisky をインストールする

brew install --cask whisky

アプリがインストールされるので、LaunchPadとかから起動する。


cabextact をインストールしておく (任意だけどお守り代わり)

brew install cabextact

Windows環境でよく利用される「CAB」という圧縮ファイル形式を解凍するためのツール。フォントファイルがCAB形式で圧縮されていることが多いので、お守り代わりにインストールしておくと余計な心労が減るかもしれない。とりあえずコミュニティでは推奨されてた。


whisky を起動して Bottle を作成する ( Bottle の名前は何でもいい)

右上のプラスボタンから新しい Bottle (PC動かす環境) を作る。
OSは必ず「Windows10」で、Bottleの保存先は任意。容量が余ってるならデフォルト配置で良いけど、もしMacの容量に不安がある場合は外付けSSDドライブを買ってきてそこに配置すると大量のゲームをインストールできて幸せになれるかもしれない。
自分は Mac Studioの貴重な内蔵ドライブ(アホほど速い)を消費したくなかったので、ちょっと遅いけど2TBほどの外付けSSDを設置してそこにBottleを保存した。


Bottle の設定 > Syncの設定を「Esync」に変更する (お守り)

自分がインストールしたバージョンではデフォルトが 「Msync」 になっていた。でもそれだと最初はSteamが動かなかったので設定を変えて動かしている。お守りみたいなもんなので、バージョンによっては動かし方が変わるかも。


Bottle の設定 > DXVK / DXVK Asyncを使用するを有効化

今回の目玉機能。有効化必須。

Bottleホームに戻って Winetricks を起動する

いくつかの重要なファイルは必ずWinetricks経由でインストールする。最低限インストールするものは以下の通り。
  • 日本語フォント : fakejapanese ~~~ と付いてるフォント3種
  • アプリ : steam 目的のブツ
コミュニティでも「SteamはWinetricks経由でインストールしろよ」と念押しされていたのでほぼ必須。慌ててSteamトップから落としたファイルでインストールしないように気をつけよう。※本編のSteamでも動いてる報告があるので、お守りみたいなものかもしれない※

さっきも書いたけどインストールは時間かかるので気長に待つ。Terminalが入力可能な状態になるまで触らないしアプリを落としたりしない。

Steamを起動する


動いた〜〜〜〜〜〜

でも動かないゲームも存在するらしいので、油断禁物。どんなタイトルが動いて、動かないのか、それはタイトル次第。リッチな3Dゴリゴリゲームでも動くかと思えば、シンプルなカジュアルゲームでも動かないものがあったりする。泣かない。

おまけ


原神とかもインストールしてみる。

ランチャーは動いたけど、ゲームの起動までが長い…動くのかコイツ…???


本当に書きたかったメモ : Appleがやっと動いた

いままで Appleが「M1 Macはゲームに最適!ゲームめっちゃ動く!バッテリー長持ちでゲーム最高!開発者の皆さん!早くゲームを移植するのです!iOSアプリみたいなノリでゲーム移植できますよ!」と声高く叫んできたけど、けっきょく誰も移植してくれなかったので、やっと重い腰を上げてくれたのが今回のテクノロジー。

Game Porting Toolkit という技術を取り込んで「もうWindows向けのゲームも動くようにしちゃえばよくね?」という方向性にちょっとでも動いてくれたのは評価できる。
開発者からしてみれば「Apple Silliconで動くかも分からん(ゲーマーがいるかも分からん)市場に、わざわざ開発コストかけて移植する理由など無いので、まずはゲーム移植が簡単にできるように開発環境を整えることがAppleがやるべき行動だったわけで、歩み寄ってくれたのは良い傾向だと思う。

一方、ハードウェアの違いが無くなってくると市場がレッドオーシャン化してきて、専有による旨味が薄れてくるので、今後のApple コンシューマ向けPCはちょっとずつシンドい方向に向かっていく気がしてる。

これって例えば、PlayStation が専有してきた日本のリッチ体験型のコンシューマ向けゲーム市場が PC/XBOX/Steam に乗っ取られたようなことがMacにも起こり得る。目指すべきは Switch のような独占できうる環境だった(実際、Appleはそうしてきた)のだけど、これでAppleの環境も大きく変わっていくのかも。

生成AI市場もNvidiaのCUDAがほぼ独占状態になってきたので、今後はCUDA向けのソリューションをAMD / Apple が移植しやすく(またはそのまま使えるように)ソフトウェア側が歩み寄っていくことが考えられるけど、そういう事が今後もたくさんあるのかも。

こっちのメモのほうが自分にとっては重要だったのだけど、備忘録を先に残しておかないと忘れてしまうので書いておいたのでした。

※ここまでの内容は2024年1月現在のものであり、セットアップ環境を含めて大きく変わる可能性があります※